ラム

コラム<詳細>

Column.

幼稚園の送迎バスで保護者が心配することって?不安解消につながるヒントや対策をまとめてみました

幼稚園の送迎バスで保護者が心配することって?不安解消につながるヒントや対策をまとめてみました
| 2025.02.09

幼稚園の入園を控えていると制服を準備したり、持ち物に名前をつけたり、やるべきことが山積みですよね。そのなかのひとつが登園方法を決めることです。主な登園方法に徒歩、自転車、自家用車がありますが、共働きが増えて忙しい保護者にとっては送迎バスも大切な選択肢でしょう。

しかし、小さな子どもを送迎バスに乗せることに不安を感じる保護者は多いのではないでしょうか。この記事では、送迎バスに関する保護者の心配事についてまとめてみました。また、解決につながるヒントや公的な対策も詳しくご紹介します。

幼稚園バスで心配なこと3選

見出し1画像

送迎バスは送迎時間の節約になったり、自宅から遠くても通わせられたりという特徴があります。メリットが大きいように感じますが、一方で保護者が抱える心配事とは何でしょうか。今回は3つの心配事を解説していきます。

バス停に間に合うかどうか
送迎バスを利用するときは、到着前にバス停で待機しなければなりません。決められた時刻に間に合わないと、運転手や他の利用者に迷惑をかけてしまいます。また、園側にとっても、いつもの時間に保護者と子どもの姿が見えないと何かあったのではと心配になりますね。

みんなが気持ちよく利用するために、バス停には余裕を持って到着するように心がけましょう。遅くても5分前には集合できたらいいですね。

また、遅刻しないための対策として、前日に登園準備をすませたり、家を出る時間にアラームをかけたりするのもおすすめです。ひとりひとりの心がけがスムーズな運行につながっていきます。


落ち着いて乗っていられるか
送迎バスに乗ってから降りるまで、自分の子どもが落ち着いていられるか心配になりますよね。社会福祉法人日本保育協会が令和3年に調査したデータによると、送迎バスの平均所要時間は約48分です。長いと感じた方は多いのではないでしょうか。未就学児はまだまだ飽きやすく騒ぎ出すこともあるので、他の子どもに迷惑がかからないか心配になる保護者は多いようです。

一方で、友達と会話が弾んだり、景色を眺めながら子どもらしい発見をしたり、送迎バスを楽しんでいる声も多くありました。また、送迎バスは他のクラスも一緒に乗車するので、友達が増えるきっかけにもなります。大人が想像するよりも、子どもの適応力は凄まじいです。慣れるまでは時間がかかるかもしれませんが、まずは子どもの力を信じてみてもいいかもしれません。それでも気になる方は、送迎バスの中で添乗員がどのような工夫を行っているか聞いてみるとよいでしょう。



事故が起きないか
幼稚園の送迎バスに関する心配事で最も多かったのが事故です。特に、ここ数年で問題になったのが置き去り事故です。2021年7月に福岡県中間市の保育園、2022年9月には静岡県牧之原市の幼稚園で子どもがバスの中に置き去りにされ、熱中症で亡くなっています。この事件は連日報道され、送迎バスの問題点が浮き彫りになりました。

痛ましい事故を受けて、自分が利用している送迎バスの管理体制は適切なのか不安に思った保護者が多いのではないでしょうか。利用していたけれど怖くなってやめてしまったという保護者もいるでしょう。一方で、利用を控えたいけれど、通えなくなってしまうのでやむを得ず利用しているという保護者もいるでしょう。送迎バスが不要な近場に幼稚園に転園したくても、その希望が叶うとは限りません。

バス停で保護者の手を離れた子どもの命は園側に預けられます。幼稚園を信頼しているからこそ送迎バスを利用しているのであって、その命を奪われるなんて夢にも思いません。信頼関係の根幹を揺るがす事故が多発して、送迎バスを不安に感じる保護者は急激に増えたのです。

送迎バスに対する不安を解消するためには

見出し2画像

送迎バスの心配な点を見てきましたが、事故は保護者が対策できないため特に不安に感じるでしょう。ここからは最も多かった事故についての解決策について解説します。

送迎バスに関する事故は大きく分けて2種類あります。一つ目は移動中の交通事故、二つ目が先ほど述べた置き去りによる事故です。

交通事故には命を守る方法としてシートベルトがあります。しかし、送迎バスの幼児専用シートではシートベルトは義務化されていません。そこで、2024年3月に国土交通省により「幼児専用車の幼児用座席に適した座席ベルトに関するガイドライン」が発表されました。注目すべき点は、シートベルトを備えた幼児送迎バスの市場導入を自動車メーカーに要請したことです。今後、全国的に普及が進み、安全性の向上へとつながることが期待されます。

二つ目が置き去り事故ですが、こちらの大きな特徴は交通事故と異なり、100%に近い確率で防げることです。置き去り事故は強い言葉を使えば、事件であり人災です。事件の概要を知っていれば「救えた命だった」と述べる方は多いのではないでしょうか。

ここからは、多発した事故を受けて、国が導入した対策を詳しく解説していきます。


安全装置
安全装置とは車内に人が取り残されるのを防ぐ装置です。令和5年4月1日、「こどものバス送迎・安全徹底プラン」が施行され、設置が義務化されました。

義務化になったのは、置き去り事故の直接的な原因がバス降車時の車内確認不足だからです。安全装置には2種類あります。

1.降車時確認式
2.自動検知式

降車時確認式は車内確認を促す警報を発するシステムです。警報を終了させるまで鳴り続けるため、見落としを防ぐ効果を持ちます。一方で、置き去りにされた子どもを検知すると車外に警報を発するのが自動検知式です。見落としが起きてしまったときに有効な装置です。

もちろん、目視での確認が最優先なのは言うまでもありません。しかし、運転手の交代で送迎に不慣れな職員が運転する場合もあるため、安全装置は万が一の事態を防ぐ重要な役割を果たしてくれます。安全装置の義務化により事故の可能性が低下したことで、保護者は安心して送迎バスを利用できるようになったのではないでしょうか。



安全管理マニュアル
「こどものバス送迎・安全徹底プラン」では、園による安全管理の見直しと徹底を促すために安全管理マニュアルも作成されました。

毎日使えるチェックシート、ヒヤリハットの共有、園の体制確認など、いま一度確認しておきたい内容が詳しく明記されています。注目すべきは送迎業務モデル例です。運行前の準備から子どもの乗車時の安全確認や緊急事態の対応、子どもが降車した後の最終確認まで順を追って書かれています。保護者もイメージしやすい内容なので、大切な子どもを預ける利用者として確認しておくのもいいですね。

幼稚園や保育園は慢性的な人手不足で、一人一人が担う業務は膨大です。送迎バスの運転手を直接雇用している場合は、休暇の際には他の職員が業務を補う必要があります。「不慣れだから」という理由で業務を疎かにして子どもの命を危険にさらすことはあってはなりません。そのため、園の運営に関わるすべての人が共有できるようなマニュアルは、安全かつ適切な運営に必要不可欠でしょう。

詳しい内容については下記をご覧ください。
こどものバス送迎・安全徹底マニュアル(内閣官房・ 内閣府・ 文部科学省・ 厚生労働省)

信頼関係を大切にしよう

見出し3画像

送迎バスに関する心配なことを解説してきました。実際に利用してみると、ご紹介した内容の他にもさまざまな不安が生まれることもあるでしょう。一人で悩んでいても解決できないときは、遠慮せずに幼稚園に相談することも大切です。

また、最後にご紹介したいのが、バス停に間に合うかどうかの不安を解消に導ける位置管理情報システムです。東明エンジニアリング株式会社(https://tohmei-eng.com/)では位置情報管理クラウドシステム『iHere(アイヒア)』(http://trasco.jp/iHere/wp/)を提供しています。

主な機能はリアルタイムでのバスの位置確認と指定したバス停を出発したかを通知することです。また、利用予約機能もついているので、乗車しない場合は運転手はバス停をスキップできます。到着時刻を把握したい保護者とスムーズな運営を叶えたい園側のメリットが合致するため、多くの現場で導入されています。

また、送迎バスの到着が遅れていても、子どもが今どこにいるのかを正確に知ることで心配の解消にもつながりますね。保護者との信頼関係を築き、安心して子どもを任せてもらえるように、ぜひ導入をご検討ください。

東明エンジニアリング株式会社
ITソリューション部

お気軽にお問い合わせください