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保護者が幼稚園の送迎バスの位置情報を把握したい理由は?不安解消に役立つシステムもあわせてご紹介します
街中で「幼児バス」のステッカーが貼られた車両を見かけたことはありませんか。これは幼児を乗せたバスのことで、満1歳から就学前までの子どもが対象です。幼稚園では主に送迎バスとして運行されていることが多く、忙しい保護者が送迎の時間を節約できる手段として重宝されています。
送迎バスは非常に便利なサービスである一方で、利用する保護者は不便に感じる点はないのでしょうか。この記事では、送迎バスに関する基本情報と保護者の悩み解決に寄与する位置情報管理システムについて詳しくご紹介します。
送迎バスについて知っておきたいこと
まずは幼稚園の送迎バスがどのように運行されているか確認していきましょう。
送迎バスの規格と運行状況について
幼児の送迎を目的として運行するバスのことを幼児送迎バスと言います。幼児送迎バスとして主に使われているのは以下の2種類です。
・小型幼児送迎バス
定員は大人2名、幼児12名。普通免許での運転が可能。
・中型幼児送迎バス
定員は大人3名、幼児39名。中型免許の取得が必要。
(以下、幼児送迎バスは送迎バスと表記します)
送迎バスには必ず幼児専用シートが備えつけられています。一方で、自家用車ではシートベルトが義務化されているにもかかわらず、送迎バスでは不要となっており、安全性が問題視されてきました。現在は国土交通省によりガイドラインが発表され、自動車メーカーに対して2026年度を目途にシートベルトを備えた幼児送迎バスの市場導入を要請しています。独自の判断で既にシートベルトを導入している幼稚園もありますが、国が方針を明確にしたことで安全性の向上が期待できるでしょう。
また、送迎バスでは添乗員が同乗していることが多いですが、必ず添乗員が乗車しなければいけない決まりはなく、現場の任意となっています。しかし、実際は送迎を運転手だけに任せることは非常に危険であり、子どもが立ち上がったり騒ぎ始めたりしても即座に対応できません。
そのため、送迎バスを運行している全国の幼稚園や保育園では、添乗員の同乗は全体の98%と非常に高くなっています。(引用:保育園・認定こども園での通園バスの運行状況実態調査の結果)送迎バスの運行も業務の一環なので、子どもの安全確保をしっかりと意識していることが伺えますね。
送迎バスを利用する保護者の悩みとは
送迎バスが安全を意識して運行している一方で、大切な子どもを預ける保護者は、送迎バスに対して悩みはないのでしょうか。
弊社が2020年に行った調査によると、送迎バスを利用する保護者が困ったことで最も多かったのが「送り迎えの時間に合わせるのが大変」という回答でした。到着時刻がズレると待ち時間が長くなり、猛暑だと熱中症になる可能性もあります。また、ママ友付き合いが苦手な保護者は話す時間が増えて気疲れしてしまうという声もありました。
送迎バスは送迎の手間が省けるメリットがあります。しかし、忙しくても必ず到着時刻に合わせなければならない点と、遅れた場合は時間が無駄になってしまう点が悩みと言えるようです。
悩み解決に導く「位置情報管理システム」とは
先ほど、送迎バスにおける保護者の悩みで時間を合わせることが大変だとお伝えしました。家事、育児はもちろんのこと、近年は共働きが増えたため、有限な時間を有効活用しようと保護者は毎日懸命に生きています。そのような保護者の大変さは幼稚園も理解しているでしょう。幼稚園は子どもの教育が目的ですが、保護者を支える役割も担っています。保護者が心身にゆとりを持って子育てすることが、子どもの豊かな成長につながるからです。
ここからは、保護者の悩みを解決に導ける方法として「位置管理情報システム」をご紹介します。
位置情報管理クラウドサービス「IHere」/クオリテック株式会社
弊社では「iHere(アイヒア)」(http://trasco.jp/iHere/wp/)というサービスを提供しています。「iHere」は、位置情報の把握、収集を通じて業務効率化を図り、安全性の向上や利便性に貢献することを目的としたシステムです。主な特徴は以下になります。
・リアルタイムで地図でバス位置確認ができる
・指定したバス停を出発したかを通知してくれる
・バスの利用予約ができる
「iHere(アイヒア)」は多くの人が利用しているスマートフォンで位置確認ができます。保護者はリアルタイムでバスの位置情報を得られるため、何をすべきか行動しやすくなります。待ち時間が削減できれば時間に余裕ができて、家事をひとつこなしたり、ほっと一息ついてから向かえたりしますね。また、現在地を把握することで、なかなかバスが到着しないという不安の解消にも役立ちます。
さらに、保護者が到着時間に合わせることで、幼稚園には送迎バスを定刻に出発させやすくなるメリットがあります。次のバス停へスムーズに向かえたり、バスの利用予約により出欠が確認できたり、利用者がいない場合はバス停のスキップが可能です。
園側はバスが定刻に運行できていない時などに、保護者からの朝夕の問い合わせ電話が減る事により園児の対応に集中できるメリットもあります。
「iHere」で保護者は時間の有効活用を、幼稚園は業務の効率化が期待できるため導入も問い合わせも増えています。デジタルの力で利便性が向上することは、暮らしやすい社会をつくる上で今後も必要不可欠になってくるでしょう。ここからは、位置情報管理システムが導入しやすいように、国によって設けられた制度をご案内します。
ICT補助金とICTが担う役割について
「iHere」のような位置管理情報システムは、ICT(Information and Communication Technology)という技術を活用しています。ICTとは「情報通信技術」のことで、インターネットを活用して人と人、人とものをつなぎ、情報をやり取りする技術の総称です。現在、この技術を利用したシステムに補助金が出されています。詳しくみていきましょう。
「教育支援体制整備事業費交付金(ICT化推進)」/文部科学省
ICT化を推進するための交付金をICT補助金と言います。目的は、現場の業務負担を軽減して、教育の質の向上につなげることです。幼稚園においては管轄の文部科学省より、「教育支援体制整備事業費交付金(ICT化推進)」という名目で補助金が支給されています。
「iHere」を含む位置管理情報システムは対象であり、補助金を活用することで導入しやすくなっています。その他、多くの現場で利用されている登園管理システムも対象です。
金額は1施設あたり最大100万円で、都道府県によって補助金額が異なる場合があるので、詳しくは問い合わせください。また、保育所は管轄が厚生労働省となるため、「保育所等におけるICT化推進補助金」として補助金制度が設けられています。対象も金額も大きく変わりません。
なぜICTが推奨されるのか
ICT補助金について説明してきましたが、なぜ国がバックアップしてICT化を進めているのでしょうか。
理由のひとつに人材不足による現場の困窮が考えられます。幼稚園や保育園は小さな子どもが相手なので、マニュアルのような明確な答えがありません。一人一人に個性があり、成長を支えるためには真正面から向き合う必要があるからです。AIやロボットといったデジタルの力を借りるには限界があるため、イレギュラーなことが起きると職員の業務は膨大になってしまうのです。
しかし、すべての業務を人が担う必要はありません。ICTの力を活用できる場面は積極的に活用し、職員の負担軽減につなげることは可能なのです。労働環境が整うと職員のやりがいにつながり、人手不足にも歯止めがかかるかもしれませんね。
そのひとつとして位置管理情報システムをご紹介してきました。業務の効率化が叶うほか、位置情報の把握は保護者に安心感をもたらし、幼稚園との信頼関係にもつながるでしょう。ICT補助金を利用して、導入してみてはいかがでしょうか。