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送迎バスのルートはなぜ必要なの?幼稚園と保護者にもたらすメリットを解説

送迎バスのルートはなぜ必要なの?幼稚園と保護者にもたらすメリットを解説
| 2025.02.09

幼稚園探しの際には送迎バスが運行しているかどうかを決め手にする保護者は多いのではないでしょうか。送迎バスの利用を検討している保護者にとっては、何時にどこにいればいいのかは生活リズムに関わる大きな問題です。幼稚園は入園の申し込みの前に保護者に送迎バスの情報を把握してもらうことが望ましいでしょう。今回は送迎バスに関する基本的な特徴とルートの必要性などについてまとめました。

送迎バスの特徴と利用したい理由とは?

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幼児の送迎を目的とした車両のことを幼児送迎バスと言います。一般的には送迎バスと呼ばれることが多いです。幼児とは満1歳から小学校に就学するまでの子どものことです。幼児を乗車させるには「幼児バス」と書かれた三角マークを車両の前後左右に貼りつけるよう義務化されています。その他にも運行の際にはいくつか規則が設けられているので、送迎バスを安心して利用するためにまずは基本的な特徴を把握しましょう。

送迎バスを運行するためには
送迎バスには小型幼児送迎バスと中型幼児送迎バスの2種類の車両があります。小型幼児送迎バスは幼児12名が乗車可能な比較的小さい車両です。普通免許での運転が可能なため、急な運転手の交代にも対応しやすいでしょう。中型幼児送迎バスは幼児39名が乗車できる大きめの車両です。運転には中型免許が必要なため、緊急時に備えて複数の職員が免許を保有していることが望ましいでしょう。

添乗員は現法では必ず乗車しなければならない決まりはなく、現場の任意となっています。しかし、子どもの安全確保やスムーズな乗降のために添乗員が同乗しているケースは多く、全体の98%となっています。

乗車している子どもは送迎バスに備えつけられた幼児専用シートに着席します。一方で、交通事故が比較的少ないことや脱着に時間がかかることなどから、送迎バスにおいては子どものシートベルト着用は義務化されていません。しかし、安全性への指摘からガイドラインが見直され、2026年度を目途に自動車関連メーカーに対してシートベルトが装備された車両の市場投入を要請しています。



送迎バスのメリットとデメリット
送迎バスの最も大きなメリットは送迎の手間が省けることでしょう。自宅から幼稚園が遠いから、職場が遠いから、運転免許を持っていないからなど、さまざまな理由が考えられます。家族の体調不良や悪天候で送迎が困難な場合も、送迎バスを利用していればバス停に行くだけで登園が可能です。また、産前産後のため運転は控えたかったり、産後に赤ちゃんを抱えて上の子を送迎するのは骨が折れるといった声もあります。送迎バスは家族を支える重要なサポート役を担ってくれていることがわかりますね。

一方で、送迎バスには送り迎えの時間を合わせるのが大変というデメリットもあります。ある程度の到着時刻は伝えられますが、時間どおりに待っていてもなかなか到着しない場合も考えられます。道が混みやすい雨や雪の日は交通状況が変わりやすいので、到着時刻がズレることは珍しくありません。また、自分が遅れることで他の利用者に迷惑をかける可能性もあるでしょう。

もう一点、デメリットとしてお伝えしたいのが、運転手の急な交代です。保護者の負担軽減のために送迎バスの需要は高まる一方で、運行率は2割弱にとどまっており、決して高いとは言えません。原因のひとつが運転手の確保です。慢性的な人手不足の教育業界では送迎バスの運行に人員を割くと、他の業務の負担が増えてしまいます。送迎を目的とした雇用の割合も高いですが、休んだ場合は園長や他の職員など、園を運営する誰かが代わりに運転しなければいけません。送迎に不慣れだと事故が起きる可能性もあります。

スムーズな運行のために/ルートの必要性とは?

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送迎バスの運行には人員確保、到着時刻に間に合わせるなど幼稚園の尽力で実現されていることをお伝えしました。では、日々のスムーズな運行のためにはどのような工夫が施されているかご存じでしょうか。そのひとつが送迎ルートを決めておくことです。ここからは送迎バスのルートの必要性や役に立つシステムについて解説します。

ルートはなぜ必要なのか
ルートとは決まった道筋を意味します。つまり、職員も保護者もあらかじめ送迎ルートを把握しておけば、決められた順序に従ってスムーズに行動できるのです。

幼稚園は保護者からの送迎バスの申し込みを受けて、ルートを検討します。複数のバスを同時運行していたり、一台を複数回運行したりなどさまざまな事情を鑑みながら、効率よく回れるようにルートを定めていきます。

また、送迎バスの平均所要時間は約48分ですが、登園時と降園時で乗車時間が異なる場合もあるでしょう。たとえば、登園時は2台運行し、降園時は1台に集約させる幼稚園もあります。登園時は送迎バスを利用して降園時は延長保育を希望するため利用しないなどの保護者の事情もあるでしょう。交通渋滞やバス停の位置を考慮する幼稚園側の理由も考えられます。さらに、送迎バスは複数の利用者がいるので、ルートやバス停の変更も少なくありません。特に年度や学期の切り替え時には見直されることが多いです。

送迎バスの運行も業務の一環のため、なるべく多くの要望に応え、送迎の負担が軽減できるように配慮しています。しかし、バス停が変更になって自宅から遠くなったと相談されることもあるかもしれません。そのような場合は責任者が理由を説明したり、入園時に変更の可能性があることをあらかじめ伝えておくとよいでしょう。



位置情報管理クラウドサービス「iHere」ができること
送迎バスをスムーズに運行させるためにはルート設定が大切だとお伝えしました。しかしながら、子どもの欠席や保護者の都合で今日は送迎バスを利用しないという事例はよくあります。そのようなときに役立つのが弊社が提供する位置情報管理クラウドサービス「iHere(アイヒア)」です。

「iHere」にはバスの利用予約機能が搭載されています。利用者がいないバス停はスキップが可能です。ルート設定もできるため、欠席の場合はそのバス停をスキップできます。利用予約によりバス停で乗降する園児を確認することができます。保護者にとっても「iHere」のリアルタイムで送迎バスの位置が確認できる機能は大きなメリットになるでしょう。通常より少し遅れているなら家事をひとつこなせたり、ほっと一息つく時間が生まれたり、有限な時間を有効活用できます。また、いまどこにいるのかを知ることで、なかなか到着しない不安も解消されますね。

双方に恩恵がある「iHere」は車両搭載専用GPS装置の代わりにスマートフォンを利用するため、コストが抑えられます。職場環境の改善と保護者との信頼関係構築のために、ぜひ導入をご検討ください。

まとめ

教育業界は人手不足であると同時に少子化により経営が厳しい幼稚園も少なくありません。
存続のために自宅から遠い子どもを受け入れる場合もあり、より広範囲で送迎バスを運行する必要があるのです。

送迎バスのルートを定めることで、保護者は到着時刻を把握しやすくなります。運転手にとってもスムーズな運行で負担が軽減されます。保護者に安心して送迎を任せてもらえるように、ルートの必要性や工夫などを詳しく説明できるといいですね。

東明エンジニアリング株式会社
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