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幼稚園の送迎バスを支える端末3選!システム導入が進む背景も詳しく解説

幼稚園の送迎バスを支える端末3選!システム導入が進む背景も詳しく解説
| 2025.02.09

幼稚園の送迎バスにはさまざまな端末が関与しているのをご存じでしょうか。デジタル社会が進行し、アナログのイメージが先行していた幼稚園にも、画期的な端末がどんどん導入されています。業務を効率化させたり、ヒューマンエラーを防いだりする目的があり、今後もあらゆる角度から利便性が向上されていくでしょう。今回は、送迎バスを支える端末を、導入が進む背景とともにご紹介します。

送迎バスを巡る背景とは

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幼稚園の送迎バスは、自宅の前やバス停から幼稚園までを園児を乗せて往復します。毎日の滞りない運行は、幼稚園の細かな配慮と迅速な対応が必要です。まずは送迎バスの運行の背景や現状について理解を深めましょう。

送迎バスの必要性
送迎バスの最も大きなメリットは送迎時間を節約できることです。近年は共働き家庭や核家族の増加により、保護者の負担も増加しています。送迎バスが運行しているかどうかを条件として園探しをしている保護者も多いでしょう。入園後に必要性を感じて申し込みをするケースも少なくありません。送迎バスは多忙な保護者に重宝されているのです。

幼稚園は通園する園児の教育が目的ですが、園児の健やかな成長のために保護者との連携も大切にしています。保護者の悩みの解決、よりよい運営を実現したいなどの目的もあるため、送迎時の負担軽減も保護者のサポートの一環です。幼稚園は可能な限り、保護者の要望に応じて送迎バスを運行させたいと感じていることでしょう。

しかしながら、実際の運行率は1877施設のうち352施設と2割弱にとどまっており、決して高いとは言えません。また、保護者が送迎可能な範囲で幼稚園を探しても、希望が必ずしも叶う保証もありません。さまざまな事情から送迎バスがないと通えないと判断した場合は待機児童問題に直面する可能性もあります。送迎バスがあると保護者は園選びの選択肢が増え、生活リズムの構築や緊急時にも対応しやすくなるのです。



運行率が伸び悩む原因
送迎バスの運行率が2割に満たないのはさまざまな要因が考えられます。そのひとつとしてご紹介したいのが幼稚園の人手不足です。幼稚園の離職率の高さは長年の課題となっており、理由は賃金と業務量が見合っていないからと言われています。

幼稚園教諭は園児と遊ぶことだけが仕事ではありません。児童表や指導案の作成、行事の準備、園内清掃など多岐に渡り、園児を優先しながら合間を縫って業務を行っています。これらの業務に送迎バスの運行が加わると許容量が超えてしまい、残業や仕事を持ち帰らなければいけない可能性も考えられます。園児の命を預かる責任に耐え切れなくなるという悪循環も否定できないのです。

現状では、直接雇用の運転手の割合が63.4%と最も高くなっています。しかし、運転手が休んだ場合は園長や他の職員など、園を運営する誰かが代わりに運転しないといけません。送迎に不慣れだと不測の事態が起きる可能性もあります。また、幼稚園の送迎は早朝と午後2時過ぎなど時間帯的に求人が見つかりにくいという現状もあるようです。

さらに、送迎バスの運行には添乗員も必要です。現法では義務化はされていないため、必ずしも同乗しなければならないわけではありません。しかし、実際には添乗員の同乗率は98%にも上り、園児の安全確保のためには運転手だけでは不安という幼稚園側の懸念が読み取れます。つまり、送迎バスの運行には人員確保が大きな問題となっているのです。



置き去り事故
近年、送迎バスで問題視されたのが置き去り事故です。2021年に福岡県の保育園、2022年に静岡県の幼稚園で園児が送迎バスに長時間置き去りにされ、熱中症で死亡しています。このような痛ましい事故が起きた直接的な原因はバス降車時の確認不足です。運転手と添乗員は車内に園児が取り残されていないか確認せず、送迎時の手順も未設定でした。また、当時の運転手は代理であり、代行は数回程度で不慣れだったと説明しています。運転に不慣れだと緊張からミスを誘発し、園児の命の危険を招いてしまうのです。

さらに、間接的な原因として園児の出欠確認を怠ったことも問題視されています。欠席連絡がない園児の不在を認識していたにもかかわらず放置し、置き去り事故を防ぐきっかけを失ってしまいました。

送迎バスの運行には細心の注意を払う必要があります。人手不足の懸念、事故への不安から、需要に供給が追いつかない可能性は大いにあるのではないでしょうか。

送迎バスを支える端末3選

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送迎バスの現状と事故の可能性を述べてきました。このような問題の解決には、ヒューマンエラーを減らすことが重要だと言われています。送迎バスを安全に運行したい、してほしいという幼稚園と保護者の思いを叶えるためには、デジタルの力が必要なのです。ここからは、送迎バスの利便性向上と事故防止につながる端末をご紹介します。

安全装置
安全装置とは車内の置き去り事故を防止するための装置です。2023年4月1日より義務化され、降車時確認式、自動検知式、併用式のいずれかを設置しなければいけません。降車時確認式はエンジンの停止後に車内確認を促す警報を発するシステムです。必ず運転手や添乗員が警報を終了させなければいけないため、見落としを防ぐ効果があります。自動探知式はエンジン停止から一定時間内にセンサーが車内を検知し、異常があると警報を発するため、見落としが起きたときに有効です。

安全装置は設置依頼が必要な場合があります。2022年9月5日以降に設置した安全装置に関しては、設置費用への補助金があるので是非ご確認ください。(国土交通省のガイドラインに適合しているものに限る)



位置情報管理システム
送迎バスの利便性向上につながるのが位置情報管理システムです。位置情報の把握と収集を通じて、業務の効率化を実現する狙いがあります。

幼稚園の送迎バスに導入された理由は、バス到着予定をできるだけ正確に知りたいという保護者の要望からでした。弊社では「iHere」を提供しており、リアルタイムで現在地を把握できるため余裕を持った行動が可能です。また、使用する端末は多くの方が保有しているスマートフォンなので、コストを抑えられ、保護者にも大きな負担はありません。

幼稚園側も、利用予約機能で乗車人数の把握ができるため、円滑な運行が可能です。ルート設定もできるため、欠席の場合はスキップする事が可能です。急な運転手の交代は置き去り事故の恐れがあると前述しました。「iHere」は送迎バスに不慣れな運転手をサポートできるため、ぜひ導入をご検討ください。



登園管理システム
送迎バスへの搭載ではありませんが、置き去り事故防止への抑止力となるのが登園管理システムです。園児の出欠や登降園の時刻を管理し、出席日数の確認や利用料金の把握につなげます。現在は置き去り事故を防ぐ役割も担えるとして、導入が進んでいます。

前述しましたが、置き去り事故の間接的原因は園児の出欠確認を怠ったことです。登園管理システムを利用すれば園児の出欠を全職員が把握でき、ヒューマンエラーが重なる確率は低くなります。端末はタブレットやスマートフォンなどの手軽な機器が多く、パソコンでの一元管理も可能です。

まとめ

送迎バスは多忙な保護者を支える重要な登園手段です。幼稚園が要望に応じるには、円滑な運行を実現するための事前準備が重要になります。職員の負担を減らし、事故を防止するためにも、画期的な端末は積極的に活用することが望ましいです。その際には、職員全員が正しく端末を使えるようにし、いかなる場合にも対処できるように心得ておきましょう。

東明エンジニアリング株式会社
ITソリューション部

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