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幼稚園の送迎バスが運行するための規則とは?/疑問と不安を解決する方法も解説
ご利用されている幼稚園では送迎バスは運行していますか。送迎バスは登園手段のひとつであり、忙しい保護者にとって送迎時間を節約できるメリットがあります。送迎バスが運行しているかどうかを重視して、幼稚園を選ぶ方も多いのではないでしょうか。
この記事では、幼稚園の送迎バスがどのように運行されているかを解説します。疑問や不安もご紹介するので、送迎バスを利用をする際に参考にしてください。
送迎バスが運行するためには
送迎バスは、保護者から引き渡された園児を無事に送迎することが目的です。雨天時には徒歩や自転車での送迎は難しいという保護者の選択肢になります。また、自家用車を保有していないため送迎が厳しいという保護者に対しても手助けが可能です。
送迎バスは登園手段として大きな役割を担っていることがわかります。まずは、送迎バスのさまざまな規則や特徴を把握しておきましょう。
運行に必要な人員
送迎バスには運転手が必要です。運転手は、幼児12名定員の小型幼児送迎バスであれば、普通免許で運転ができます。送迎のために特別な講習や訓練をする必要がないので、送迎担当の職員が欠席した場合も園内で代員を見つけやすいでしょう。
幼児39名が定員の中型幼児送迎バスは中型マイクロバスとも呼ばれ、運転するためには中型免許の取得が必要です。一度に多くの園児を乗車させられるため、業務の効率化が期待できます。また、遠足や社会見学などの幼稚園の行事でも使用される場合があります。
送迎バスの運行には添乗員も乗車しています。しかし、現法では添乗員の乗車は義務化されておらず、現場の任意となっています。実際には、添乗員が同乗しているケースは多く、全体の98%と非常に高いです。
添乗員が乗車するメリットは、後部座席の園児の安全確保ができることです。運転手は走行に支障をきたすため、座席の様子を逐一確認できません。添乗員が乗車していると走行中の安全確保を一任できるため、運転手は安心して運転に集中できます。国による規制が設けられていなくても、園児の安全確保に対する現場の意識の高さは明らかでしょう。
乗車可能な年齢
幼児の送迎を目的とした送迎バスは、満1歳から小学校に就学するまでの子どもが対象です。幼稚園は基本的に満3歳を迎えた子どもが通うため、希望すれば園児全員が送迎バスに乗車できます。乗車中は安全確保のために、送迎バスに備え付けられている幼児専用シートへの着席が必要です。
幼児専用シートが義務化されている一方で、園児へのシートベルトは義務化されていません。送迎バスは交通事故が比較的少ないこと、複数の園児が乗車するため脱着に時間がかかることなどが理由と考えられています。
現在はガイドラインが見直され、2026年度を目途に自動車関連メーカーに対してシートベルトが装備された車両の市場投入を要請しています。より一層の安全性が実現される予定です。
時間
送迎バスの平均乗車時間は約48分です。これは片道にかかる時間であり、行きと帰りで2回送迎バスを利用する場合は、1日で約2時間弱かかります。
ただし、幼稚園の送迎バスは交通状況や利用者の有無を考慮して、行きと帰りでルートが異なる場合があります。行きは10分でも帰りは50分かかるといったケースも考えられるため、乗車時間は目安と捉えておきましょう。
なお、送迎バスを利用する場合は、バス停へ向かう所要時間も考慮しなければなりません。
幼稚園から事前に乗車時刻と降車時刻の目安は通知されますが、交通状況により到着時刻が前後するケースは非常に多いです。送迎バスの発車が遅らせないために、余裕を持った行動を心がけましょう。
料金
送迎バスを利用するためには、別途料金が必要になる場合がほとんどです。
令和元年10月から幼児教育・保育の無償化が開始し、幼稚園の利用料は無料になりました。一方で、雑費に関してはこれまでと変わらず、各家庭の負担になっています。送迎バスは雑費扱いとなっているため、幼稚園の規定に従い、期日までに料金を支払いましょう。
送迎バスは送迎の手間が省けるため非常に便利です。ただし、時間の節約にはなりますが、自分で送迎したほうが金銭的な負担が軽かったという声もあります。優先順位を考慮して、送迎バスの利用を検討しましょう。
送迎バスの悩みと解決策
幼稚園はさまざまな規則を遵守し、園児を無事に送迎するために尽力しています。しかしながら、大切な子どもを預ける保護者にとっては、送迎バスに対して不安なこともあるのではないでしょうか。ここからは、保護者の悩みと解決策をご紹介します。
送迎バスは安全なのか?
送迎バスの安全性を不安視する保護者は少なくありません。幼稚園は園児を送迎バスに乗車させてから目的地で降車するまで、無事に送り届ける義務があります。保護者は幼稚園を信頼して大切な子どもを乗車させているので、命に関わる事故はあってはならないのです。
しかし、近年、保護者と幼稚園の信頼関係を揺るがす事故が起きました。2021年7月に福岡県、2022年9月に静岡県で、送迎バスに乗車した園児が車内に長時間置き去りにされ、熱中症によって亡くなったのです。
事故の原因は、バス降車時の車内確認不足です。静岡県の事故では当日の運転手は代員であり、運転に不慣れだったと述べています。送迎の流れをしっかり把握していたら、尊い命が奪われることはなかったのではないでしょうか。
このような現状を受けて、国は令和4年10月12日に「こどものバス送迎・安全徹底プラン」を発表しました。このプランの中で義務化されたのが安全装置です。
安全装置とは車内に人が取り残されるのを防止するための装置です。見落としを防ぐ効果を持つ降車時確認式と見落としが起きた際に有効な自動検知式の2種類があります。安全装置は、置き去り事故の防止に直接的に働きかけてくれます。安全装置を適切に運用することで、事故の発生件数をゼロに近づけることは不可能ではないでしょう。
時間に間に合わせるのは大変?
送迎バスを利用するためには、指定されたバス停で待機する必要があります。到着時刻に遅れると送迎バスは発車できません。他の利用者に迷惑をかけることを懸念する保護者は多いようです。また、時間どおりに到着しても送迎バスが到着せず、不安に感じるケースもあるでしょう。
送迎バスは交通状況の影響を受けやすいため、道が混みやすい雨や雪の日は到着時間がずれることは珍しくありません。時間を節約したくて送迎バスを利用する保護者にとっては、正確に到着時刻を把握したいと思うのは当然ではないでしょうか。
このような悩みを解決できるのが、位置情報管理システムです。位置情報管理システムには位置情報の把握と収集を通じて、業務の効率化を図る狙いがあります。運送業での使用実績が多かったのですが、近年は幼稚園の送迎バスにも導入され、注目を浴びています。
弊社が提供する「iHere(アイヒア)」が使用する端末は、多くの方が保有するスマートフォンです。保護者には新たな負担はかかりません。外出先でもリアルタイムで送迎バスの位置確認ができるため、到着時刻を合わせやすくなります。現在地の特定ができれば、なかなか送迎バスが到着しない不安も解消できますね。
「iHere」には利用予約機能も搭載されているため、幼稚園側は乗車人数を正確に把握できます。欠席の場合はスムーズに発車できるため、円滑な運行が可能です。また、園と保護者間の連絡や通知をスムーズに行うための「お知らせサービス」機能をオプションで用意していますので、ぜひ、導入をご検討ください。
まとめ
幼稚園の送迎バスは、園児の安全確保のためにさまざまな規則を遵守しています。そして、スムーズな運行を実現するためには、幼稚園の努力のみならず、保護者の協力も大切です。
幼稚園は送迎バスに対する保護者の不安を解消しつつ、利用しやすい環境を整えることが求められます。信頼関係を大切にしながら、送迎バスの運行を実現していきましょう。